何が平穏

何が平和



何が愛情?





―― until I meet you.











LOVE & PEACE














銀髪が揺れて

銀色の瞳が揺れた



束ねた髪の毛は艶やかに しかし

其の眼は感情などもって居なかったように思える。



いつからだったろう?

私は此処にいる。

冷たい鋼鉄の塊 体温なんて無い物体。

適応するために自我を其処に押し込めていた。



低く鳴り続けるエンジンの音が耳障りでどうしようもなくイラついた。

だからといって消すことは出来ない。

しかし、例え部屋を防音にしたとしてもこのイラつきがおさまることは無いのも知っていた。

音だけじゃない何かに確実に犯されていた気がした。



歳相応でない椅子に身を沈め誰かがいつだろう持ってきたアイス・ティーを口に含む。

シロップもレモンもミルクも何も入れない ありのままの味が良い。



少しだけ苦かった。



椅子から身を起こしてデスクに積んであった書類に眼を通す。

見慣れた文字は何も語り掛けない。

ただ 機械的に電気信号になってシナプスを駆け巡る。



知覚とは何なのだろう

理解とは 何か



そう過ぎる言葉の意味もすでに興味は無い。





この問いは幾度となくしていたし答えもわかりきっていたから。



あらぬ方向を見る。ふいに自分がもう一人いるような感覚に陥った。

私の目に入ってるのはその場にそぐわぬただの子供。

頭が痛くなった。









静かな艦長室にノックの音が飛び込んだ。

顔を上げる。額には脂汗が滲んでいた。



「大佐殿、入っても宜しいでしょうか」



――えぇ、どうぞ」



金属製の重いドアが開いて同世代の男が入ってきた。

無愛想ながらも見慣れた、愛しい姿が其処にあった。

そういえば私は彼のことを愛しいという言葉で形容しているのだけれど何故だろう?

"like"と"love"の違いというのか 抽象的な靄が答えを探るのを阻んだ。



いつの間にか又どこか目線が違う所を見ていたらしい。

彼が訝しげな表情で躊躇いがちに言った。



――大佐殿?大丈夫ですか」



瞬間に意識を戻して少しふざけながら答える。



「 『問題ない』 です、ふふ。」



「そうですか。では本題に―――





彼の発言に「私」が答えていた。私は此処にいるのに。





―――了解しました。ところで大佐殿。」



「はい?」



「先程から何か具合が悪そうですが・・もしよければ医務室までお送りいたしましょうか」



「ああ、いえ結構ですよ。お気遣い有難う御座います。」



「はぁ・・。いえ出過ぎた真似をしてもうしわけ御座いませんでした。」



「そんなことはないですよ。嬉しかったです。」



彼は少しだけ微笑むとそれではと言って扉に手をかけた。

ふいに馬鹿な考えが浮かんで椅子から立ち上がる。



「あっ 相良さん!」



彼は驚いた顔をして扉から手を離した。

空気が少しだけ変わったのがわかる。

デスクの下から2番目の引き出しに手をかけた。



開けようとして 思いとどまった。



「何か?」



彼はいつもの抑揚の無い声でそういうと振り向いて私を見た。



「いいえ 何でもないです。任務頑張ってくださいね。」



「有難う御座います。では、失礼致します。」





金属と金属の触れ合う音が何故か響いた。

空気の振動だけだったのかそれとも他に――そう私を犯している「何か」のせいだったのか。









「駄目じゃないか、私は艦長でしょう。一人を特別視するなんて論外だわ。」



震える声はどこから生まれたのか。















何故、私はあの日に生まれたの



何故、この道を選択したの



何故、人を あの人を愛せたの





答えなんて無い。



強いて言えばあのアイス・ティーの苦さと相似なんだろう。





平和?

私の平和はこの鋼鉄の鳥籠の中に在る。









いつもと変わらない日常がいつまでも続くよう 切に願う。













デスクの引き出しを開ける。

甘い菓子が綺麗にラッピングされてたった一つだけ入っていた。

一瞥してから 再びその引き出しを閉めた。



私の「愛と平和」は互いに相関して成り立つものでは決して無い。

今のままでいることが「平和」。



変わらないでいて頂戴 。 お願いだから。









囁きは 「私」 を蝕んで



                              愛と平和と狂気と 「い闇」を











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うわ、意味不明。其の上無駄に暗い。いつものことですが。

ダッシュ使いすぎですしね。

すみません、そうにも他に適切なのが浮かばなくて。汗

呼び方とかなんだとか色々間違ってそうです。

でしたらすみません。

もし読んでくださった方がいらしたら、本当感謝します。

有難う御座いました。



2004/02/10 ギンギュ拝























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