「Las Parablas De Amor」

 

もう一度

せめてもう一度、君の言葉を聞きたい。

願うなら永遠に君といられたら、君と話が出来たら。

君の笑顔、君の声、君の綺麗な髪。

すべて自分の物にしてしまいたい。

君に送りたい言葉。

Las Parablas De Amor

 

 

「宗介、何書いてるの?」

 

突然声をかけられてびっくりする宗介。

何気に書いていた紙を急いで丸めて隠す。

 

「な、なんだ千鳥か。」

「なんだは無いでしょ。で、何書いてたの?」

 

 

いきなりまずい。こんなこと書いていたのを千鳥に見られたらなんだか自分は破滅する

などと考えていた宗介は適当に言い繕う事にした。

 

「じ、実はミスリル関係の機密事項が書かれているんだ。だから、千鳥には見せられない。」

「うそだわ。」

 

即言い返された。

なぜ、すぐに嘘がばれたんだ?と冷や汗を掻く宗介。

 

「おー、動揺している。あんたってすぐに顔に出るのよね。

だから、嘘だと思ったんだけど。私を誤魔化すのは10年早いわよ。」

 

と、さも偉そうにのたまうかなめであった。

 

「で、何を書いたのよ。見せなさいってば!」

「いや、見せられない!」

教室の片隅で見せろ見せないの押し問答を繰り広げられている中、別のところでは

ニヤリと笑う眼鏡少女がいた。

 

「相良君、見せるにも見せられないよね、こんな内容じゃ。クスクス」

 

デジカメに写し取られた内容を読んで笑いを必死にこらえている。

 

 

学校の帰り道、かなめと宗介は並んで帰っている。ここでも昼間のメモのことで

まだ揉めていた。

 

「うー、教えてくれたっていいじゃない。」

「教えたくないから教えない。もう勘弁してくれないか?」

「ダメよ。絶対機密事項じゃないし。あの慌て様はなんだろうねぇ、相良軍曹?」

 

宗介はため息をつく。このままでは埒があかない。

障りないところで一部分を教えることにした。

 

「Las Parablas De Amorだ。」

「は?何それ?」

「スペイン語だ。それ以上は教えない。」

「ドイツ語だったらクルツ君に聞けばわかるのに……」

 

 

宗介はこの言葉の意味を知っている。この言葉を言おうとしたとき、躊躇した。

だって、意味は「愛の言葉」という意味だからだ。

照れ隠しに宗介はフィル・コリンズの「Two Hearts」を口ずさむ。

いつかはそうなればと願いながら。

ふたつの心が一緒になって

鼓動も一緒、永遠にと。

 

 

数日後、意味を知ったかなめは赤面して宗介をハリセンでシバキ倒したのは後の話である。










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