〜恋路と料理のクロスファイア?〜
かなめと宗介はかなめ特製カレーを一緒に食べている。
かなめはご機嫌顔。なぜなら宗介は今さっき、任務から帰ってきたばかりなのだ。
「お代わりあるからね。」
「ああ、助かる。」
宗介は感情はあまり顔には出ないが嬉しそうな感じでかなめに答える。
ミスリルとアマルガムの戦いは激化し、宗介は今まで以上に作戦に召集される機会が多くなった。
何とか学校の勉強はかなめに助けてもらってこなしているが、出席日数がやばい状態である。
まだ危険な状態ではないが、召集されるペースが今の状態だと卒業が危うくなる。
かなめは自分の中で固まりつつある恋心に気づいており、宗介が学校を休む度、戦場に行く度に
宗介の事を以前よりも意識するようになっていた。
怪我したりしないか、無事に帰ってくるか。
宗介が腕を折って帰ってきた時は宗介の胸でわんわんと泣いたものである。
「千鳥、お代わりくれないか?」
「はい。ソースケ、私のこと『かなめ』って呼んでって言ったでしょ?」
空になった皿にご飯を盛りながら、かなめは言う。
「うむむ、すまん、かなめ。」
宗介はちょっと困った様な感じでかなめに答える。
「はい、どうぞ。」
宗介はカレーが盛り付けられた皿を受け取るともくもくとまた食べ始める。
その様子をかなめは嬉しそうに見つめる。
この平和な状態が何時まで続いたら自分はどれだけ嬉しい事だろう。
宗介が傭兵じゃなくて普通の一般人だったら私たちは出会えなかったかもしれない。
だけど、宗介が何時までも自分のそばにいてくれる事を自分は望んでいる。
だって、私は宗介のことが好きだから……
「かなめ、どうした?何かいやな事でもあったのか?」
「い、いや、そんな事無いけど……」
(いけない、ボーっとしていたみたい。)
かなめはそう思うとあわてて宗介に聞き返す。
「あ、そうだ、ソースケ?カレーの味はどう?」
「ああ、うまい。パンジャーブで作戦の合間に食べたカレーを思い出すな。」
「へぇ?現地の人に食べさせてもらったの?」
「うむ、あれは中々おいしかった。だが、かなめが作ったカレーのほうがうまいな。」
宗介の何気ない言葉にかなめは焦った。
(ソースケったら一体何言い出すのよっ!ああどうしようっ、嬉しいんだけどなんて言ったらいいのかしら……)
「かなめ。」
「は、はいぃ?!」
「俺何か悪い事言ったか?何が嬉しいんだ?」
「私言葉に出していたの?!」
「肯定だ。」
かなめは思わず思っていた事を口に出してしまったらしい。
真っ赤になっていた顔がさらに赤くなる。口をパクパクさせて何か言おうとしている。
しかし、ついには降参したかのようにうなだれる。
「何が嬉しいのか聞きたい?」
上目遣いでかなめは宗介に聞く。
「肯定だ。」
宗介は少し顔を赤くしてかなめに答える。
「ソースケが私のカレーを褒めてくれたからだよ。」
かなめはそう言うと宗介を後ろから抱きしめる。
「私ね、いつも宗介が無事に帰ってこれるか心配なの。だからね、こうして一緒に
ソースケと一緒にご飯食べられる事がとても嬉しいの。」
かなめはそこで一旦言葉を切ると言葉を進めた。
「それにね、一生懸命作ったものを人に褒められるというのはとても嬉しい事なの。
更にその褒めてくれた人が特別な人だったら更に嬉しく思うの。」
「俺はかなめにとって特別な人なのか?」
かなめは宗介にそう言われると更に顔を真っ赤にする。
「う、うん、私にとってソースケは特別な人。自分の中一番大切な人だわ。だからソースケに
カレー作ったりとか、煮物作ったりとか……。ソースケに喜んでもらいたかったから……。」
「ありがたい。俺は今までこんなに温かみのある食事を食べた事が無かった……。戦乱に次ぐ戦乱で
ゆっくりと食べられる事などまったく無かった。今、自分はとても幸せだ。かなめに感謝したい。」
宗介は自分が感じている幸せを噛み締めるように言うと、首の前で組まれているかなめの手に手を添えた。
かなめはその手を自然に握り返す。2人の間には暖かい、やわらかい雰囲気が出来上がっていた。
Fin
あとがき
……初フルメタ2次創作。アマアマですなー、こそばゆいなー、見てる方が恥ずかしくなるなー
と思えるような感じかもしれません。
どうも、弥三郎です。
皆さんに甘い世界で身悶えていただけたらなぁと書いたのがこれでございます。
本当はギャグやろうかと思ったのですが、真っ先に思い浮かんだネタがこれでした。
もし、次回書く機会がありましたら今度こそはギャグを目指しますw
機会あらば私の駄文とお付き合いください。
▼ブラウザを閉じて戻る
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||