『二人の女の子』
新年が始まってもうすぐ一ヶ月が経とうとしている今日この頃。
そんな中、遠く離れている同士の二人の女の子のおはなし……………………………。
一人は東京にいるかなめちゃん。
今日もいつも通り、近くのスーパーまで買い物に来ていました。
一通り店内を歩いて…もうレジに並ぼうとした時、『ある物』に目が止まります。
それはスーパーの一角に設けられた書籍コーナー。
数はそんなにあるわけではないのだけど、かなめちゃんはそこにある一冊の本を手に取りました。
その本にはこう書いてあります。
『かんたんチョコレート菓子』
そういえばもうすぐ一大イベント。
スーパーに入ってすぐのところにもそのイベントに備えてか、チョコレートがたくさん置いてありました。
数分その本とにらめっこした末、かなめちゃんはその本とチョコレートを買っていく事にしました。
一方……ここは東京からは少し離れた南の島。
自分の部屋でたくさんの本とにらめっこするテッサちゃんがいました。
相当長い間にらめっこしていたのでしょう。
うーん、うーんとうなり声まであげています。
そして、ようやく決心がついたのか…一冊の本を持って部屋を出て行きました。
行った先は食堂です。
食堂で、いつもいるコックさんに欲しい材料を言って、食堂を少しの間借りてもいいか頼みました。
コックさんは材料を見て、テッサちゃんがなにをしたいのかわかったらしく…快く貸してくれました。
今、テッサちゃんの目の前には卵やらバターやらがあります。
でも一番目立つのはやっぱりチョコレートでしょう。
かなめちゃんは本を片手に手際よく作業を進めています。
テッサちゃんは悪戦苦闘しているみたいですね。
それでも誰の助けも借りず、一人で一生懸命頑張っています。
キッチンに立ってからおよそ一時間後。
オーブンからとても良いにおいがするものが出てきました。
二人とも無事完成したみたいです。
かなめちゃんはブラウニーを。
テッサちゃんはチョコレートケーキを作りました。
二月の十四日まではあともう少し。
そんなに失敗もなかったかなめちゃんも、まだまだ課題が残りそうなテッサちゃんも…
この日のために今日お菓子を作りました。
本番はまだ先だけれど、それまでにはもう少し上手に作れるように。
二月十四日は女の子にとって勇気の出せる日………。
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