今まで見たことのない空だった。

胸に何か嫌な予感がした。普通では考えられない不思議な色彩。

一体何があったのだろう。いやこれから何がはじまるのか。

宗介は一人そこに佇んでいた。

カサカサと耳に不気味なノイズ。

カサカサカサ・・・何処から聞こえてくるのだろう?カサカサカサ・・・

音のする方向に身体を向けた。

見慣れない小さな機体。

これは一体なんなのだろう。

すると少し動いた。

カサカサ・・・そして機体を引きずるズーズーという不気味な音。

見たことがあると思った。昔宗介が幼かった頃何処かの砦の片隅で・・・

何故その事を急に思い出したのだろう。今まで一度も思い出さずにいた事を。

その機体は赤く光っていた。空の色と似ている。その赤に何色かの色を

薄めて重ねると、あの空の色になる。

これから、何かが始まるのだと漠然と分かった。

この地球上の何処かで。

突然、昔の宗介に記憶が遡っていた。一人砦をうろついていた。俺は幼い頃から人と群れる事がなかった。

手に拾った金属の細い棒を持っていた。

うろうろと其処にたどり着いた。

その機体は光っていたが、美しくはなかった。突然機体の側面が開いた。

耳に残るあの音。カサカサカサ・・・。

目を開けていられない複数の光の輪が宗介を襲った。

そうだ、あのとき俺は突然意識を無くして倒れた・・・

月日が思いのほか早く過ぎた。

あれから何年過ぎただろう、宗介は成長した。不思議なほど体力もついた。

宗介の不思議な体験。また同じ体験をしていた。

そうか、これから俺に何か始まるのだと分かった。

あのときと同じに。

それは何か今は分からなかった。




ガタン、と大きな音がしてすべてが消えた。

なんだ、夢を見ていたのか。

だが気になっていた。

あれから、宗介に何が起きるのかが、知りたかった。

ガタン。ゴトゴト今朝はやけに風が強いとまた眠りについた。



そう、今日も俺は戦場に行く。


これからのことなんて、だれも、しらない。



ただ、帰れば彼女は待っているんだ。






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