偶然が意味する事


マオは思い出していた。休日にクルツが昔の洋画のビデオを借りてきたことがあった。

「これおもしろいぜ!随分昔の洋画だが、なかなかスリルがある」

題名は忘れたが、崖の上に立っている要塞にパラシュートで降り立った、あの場面が目に浮かんだ。こんな偶然があるのだろうか。映画の中の物語が今現実に再現されようとしていた。ただそれは随分昔の事だったが・・その偶然の意味する事は何処に結びつくのだろうか。

マオは何かヒントが隠されているようで、気になっていた。

それは一体何だろう。

最後まで見ないであの時寝入ってしまったが、あの話最後はどうなったのだろう。

その時

「艦長クルツから連絡が入りました!」

「え!」

雑音とともに、消え入りそうな声で

「こちら、クルツ・・・今・・その要塞から・・逃げ出して・・来た・・すまんが応援頼む」

「何処だ?」と宗介は声を張り上げた。

「崖の中腹にぶら下がっている」と言った。

「今すぐ行く!」

走り出した仲間たちその中にマオの顔があった。

 

 

「どう気が付いた?」かなめが声をかけると

「会いたかったぜ!」とクルツが呟いた。側にいる宗介やマオ、テッサ艦長、マデューカス中佐の顔があった。

「久しぶりだな・・あとで一杯やろうか」

「相変わらず懲りない奴だな」

テッサが

「あの要塞消滅しましたよ」

「そりゃ、よかった」と一言。

マオを見て

「なあーあのビデオで見た映画・・題名はなんだったか忘れたが・・ほら崖の上に要塞が・・」

「うん」

「見ていてよかったよ!俺もかっこよく逃げてきたぜ」

そうか、無事に任務を完了する結末だったのか・・と心の中で呟いた。

クルツは仲間の顔をみて、俺はなかまに恵まれていると・・そんなことを思っていた。








end




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